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新しい朝日アマ名人となった古田龍生さん(右)と立会人の加藤一二三九段=2025年6月15日、東京都中央区の朝日新聞東京本社、杉村和将撮影
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 14、15日に行われた第47期朝日アマチュア将棋名人戦三番勝負(朝日新聞社主催、日本将棋連盟後援、日本アマチュア将棋連盟協力、将棋ウォーズ協賛)で、新名人が誕生した。挑戦者の古田龍生さん(28)=さいたま市、将棋ユーチューバー=が、7連覇を重ねてきた横山大樹さん(35)=札幌市、会社員=の牙城(がじょう)を崩し、初戴冠(たいかん)を果たした。

 三番勝負は朝日新聞東京本社(東京都中央区)で、持ち時間各1時間30分、使い切ると1手1分未満のルールで指された。

 両者居飛車党で、今シリーズは全局、互いに飛車先の歩を伸ばしていく「相懸かり」の戦いに。初日の第1局は横山さんが逆転勝ちし、2日目の第2局は古田さんが完勝した。

 1勝1敗で迎えた第3局は振り駒で古田さんが先手番に。互いに駒組みが進んだところで、立会人の加藤一二三九段(85)やアマ強豪が検討する控室では「後手の横山さんが指しやすい」という見方が広がった。だが、そこから膠着(こうちゃく)状態に入り、同一局面が4度繰り返される千日手が成立した。

 形勢を悲観していた古田さんは、千日手を「ありがたい」と感じたという。一方の横山さんは「うまく指せている」と思っていたが、先の展開に自信が持てず攻めを見送った。「その判断に持ち時間を使ってしまったのが良くなかった。千日手にするなら時間を使わずにもう1局指すべきで、時間を使ったのなら踏み込むべき。どっちつかずでした」

 小休止後、指し直し局が始まった。残り時間は横山さん33分、古田さん51分。中盤、古田さんが先に動いた。持ち駒の角を4四に設置して攻めを狙ったが「こちらだけ一方的に角を手放し、攻めさせられている感覚だった。正しく対応されたら恐らくこちらが悪く、自信はなかった」という。一方の横山さんは「相手に無理をさせているイメージで、しっかりやれば受け止められると思っていた」。

 だが数手後、図の局面で横山さんにミスが出る。

 後手が4四の角で6六の歩を…

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